アクセス解析入門

検索順位が下がった原因|本当に下がったかを先に確かめる

「先週まで5位に入っていたのに、今朝検索したら1ページ目にいない」「何も触っていないのに、どうして下がったんだろう……」「待っていい変動なのか、今すぐ手を打つべきなのか、そこだけ先に知りたい」

検索順位が落ちたと感じたとき、多くの人はまず原因のリストを探しに行きます。

ただ、その前に確かめることがあります。Googleの公式ヘルプは、サーチコンソールで収集されたデータが通常2〜3日以内に利用可能になると案内しています。つまり「今朝の順位」では、下がったかどうかをまだ判定できません。焦って原因を探し始めると、起きていない出来事の原因を探すことになります。

しかし、確かめる順番さえ決めておけば、切り分けはそれほど長くかかりません。原因が多いのではなく、測り方の問題・サイト側の問題・外側の問題が混ざっていることが、原因探しが長引く理由だからです。

私たちは自社で運営するサイトのサーチコンソールを週に一度読み解いています。その計測では、平均掲載順位が10.0位から7.2位へ上がった同じ期間に、表示回数が107回から11回へ減ったページがありました。順位と表示回数は、別々に動きます。

この記事では以下の3つを解説します。

  • 原因を探す前に確かめる、順位の測り方でつまずくところ
  • 症状から原因を絞る早見表
  • 自社側・外側それぞれの切り分け方

読み終えたときには、「これは待っていい変動か、手を打つべき変化か」を自分で判断する材料が揃います。

検索順位が下がった原因は、3つの順番で切り分けます

原因を1つずつ当たるのではなく、測り方 → 自社側 → 外側の順に見ます。この順番にするのは、前の段で説明がついたときに、後ろの段を調べる必要がなくなるからです。逆から始めると、アップデートの記事を読み込んだあとで「そもそも下がっていなかった」に戻ることになります。

  1. 測り方を確かめる:本当に下がったのか。順位ではなく表示回数が減っただけではないか
  2. 自社側を確かめる:下がり始めた日の前後に、自分が何かを触っていないか
  3. 外側を確かめる:Googleの更新や競合の動きと、日付が重なるか

まずは1段目から見ていきます。

まず「本当に下がったのか」を確かめます

ここを飛ばすと、原因探しの大半が空振りになります。順位が下がって見える原因は、順位そのものとは別のところに4つあります。

手元の検索結果は証拠になりません。公式ヘルプは、掲載順位値がすべての検索の平均値であり、一部の検索では検索履歴や場所などの多くの変数によって掲載順位が平均と異なる場合があると説明しています。自分で検索して見た順位は、その「一部の検索」の一例です。

平均掲載順位は、クエリをまたいだ平均です。公式ヘルプによれば、この値は検索結果内のプロパティやページへのリンクに付与される最上位の掲載順位を、そのプロパティが表示されるすべてのクエリで平均したものです。新しいクエリで下位に表示されるようになると、既存のクエリの順位が動かなくても平均は下がります

データは遅れて届きます。前述のとおり、収集されたデータが使えるようになるまで通常2〜3日です。当サイトの運用では、数字が出そろうまでに3〜4日みています。新しく追加したサイトは、データが生成されるまでに最長で1週間かかることがあるとも案内されています。

表示回数が減ったのと、順位が下がったのは別です。表示回数は、検索する人の数と検索されるクエリの顔ぶれで決まります。季節の話題や一時的な話題では、順位が保たれたまま表示だけが落ちます。

注意

比べるときは、対象をそろえてください。サイト全体の平均掲載順位は、対象になるページ数やクエリの数が変わるだけでも動きます。ページ単位・クエリ単位まで分解して、両方の期間に出ているものどうしを比べると、対象の入れ替わりを順位変動と読み違えずに済みます。

検索パフォーマンスで見る3つの数字の基本は、サーチコンソールの数字の読み方に整理しています。

症状から原因を絞る早見表

数字の動き方によって、疑うべき場所が変わります。下の表は「どの数字がどう動いたか」から、次に開く画面を決めるためのものです。

数字の動き方考えられること最初に見る場所
順位はほぼ同じで、表示回数だけ減った検索する人が減った/クエリの顔ぶれが変わった検索パフォーマンスの「クエリ」を前後で比較
表示回数は増えたのに、平均掲載順位が下がった新しいクエリで下位に表示され、平均が下がったクエリ別に分解して、既存クエリの順位を確認
特定の1ページだけ下がったそのページへの変更/同じ意図の記事が増えたそのページの更新履歴と、同じクエリで出ているページ
複数ページが同じ時期に下がったサイト全体に関わる変更/外側の変化変更の記録と、更新の日付との重なり
表示回数もクリックもゼロになった検索結果に出ていない可能性URL検査でインデックスの状態を確認

いちばん多い読み違えは、1行目と2行目です。どちらも「順位が下がった」と受け取られますが、打つ手はまったく違います。1行目は需要側の変化なので、記事に手を入れても戻りません。

表示回数と順位を分けて見る考え方は、GA4とサーチコンソールで見えるものの違いでも扱っています。

自社側の原因は、直近に触ったものから疑います

2段目です。外側を調べる前に、下がり始めた日の前後に自分が何をしたかを確かめます。自分の変更は日付が特定できるため、いちばん早く白黒がつきます。

見る順番は、影響の大きいものからです。

  • タイトルや見出しを変えた:検索した人の言葉と離れていないか
  • 本文を減らした、記事を統合した:答えていた問いが消えていないか
  • 内部リンクを外した:そのページへ渡していた導線がなくなっていないか
  • 同じ意図の記事を新しく足した:同じクエリで出るページが入れ替わっていないか
  • noindex・robots・リダイレクトを触った:出す設定のまま公開されているか

注意

このうち「同じ意図の記事を足した」は、記事を足した本人ほど気づきにくいところです。検索パフォーマンスでそのクエリを開き、表示されているページのURLが入れ替わっていないかを確かめてください。順位ではなく、出ているページが変わっているのが手がかりになります。

ここで困るのは、いつ何をしたかの記録が残っていないときです。記録がなければ日付の照合ができず、2段目はいつまでも「たぶん触っていない」で終わります。更新の日付を残しておくことが、そのまま切り分けの道具になります。

外側の原因は、日付が重なるかで見ます

3段目です。ここで初めてGoogleの更新と競合を見ます。

Googleは、ランキングに関わる更新の履歴を公開しています。Search Status Dashboardにランキングの履歴があり、更新の名称と開始日・完了日が掲載されています。下がり始めた日がその期間に重なるかどうかで、外側の話かどうかを切り分けられます。

重ならない場合は、競合側の変化を見ます。そのクエリで検索し、上位の顔ぶれが前と変わっているかを確かめてください。新しいページが入ってきているなら、押し出された側に回っただけということがあります。

どちらにも当たらず、下げ幅が数位で数日のうちに戻るなら、通常の変動の範囲です。順位はGoogle側の評価で決まるもので、日々動きます。動くこと自体を原因として扱うと、手当てのしようがなくなります。

下がったまま戻らないときにやること

数日から2週間ほど見ても戻らないなら、そのページの中身に戻ります。ただし、全体を書き直すのは最後の手段です。下がったクエリと、変わらず取れているクエリが同じページに並んでいることが多く、まとめて作り直すと取れていたほうまで失います。

やることは3つです。

  1. 下がったクエリを1つ選ぶ:表示回数の多いものから
  2. そのクエリで実際に検索する:上位が答えている問いと、自分のページが答えている問いを見比べる
  3. 答えていない問いだけを足す:既にある部分は触らない

表示回数が減っただけのページには、この手当てをしません。検索する人が減ったページを書き直しても、読む人は増えないためです。ここが1段目の切り分けを先にやる理由になります。

こうした確認を毎回自分でやるのは、手間のかかる作業です。私たちが運営する週報AIは、GA4とサーチコンソールのデータをAIが毎週(ライトプランは月1回)自動で取得し、「今週何が変わったか・なぜか・次に何をすべきか」を専門用語を使わない日本語でお届けします。

数字を見て次の一手を決めるまでの流れは、アクセス解析の全体像と進め方に整理しています。

よくある質問

検索順位が下がったかどうかは、どうやって確かめますか?

結論から言うと、サーチコンソールの検索パフォーマンスで、同じ長さの期間どうしを比べて確かめます。ブラウザで検索して見た順位ではなく、平均掲載順位の推移を見ます。そのうえで、比べる対象をページ単位・クエリ単位まで分解します。全体の平均は、対象のページ数やクエリの顔ぶれが変わるだけでも動くためです。

自分でGoogle検索して見た順位は、あてになりますか?

判断の根拠にはできません。Googleの公式ヘルプは、サーチコンソールの掲載順位値がすべての検索の平均であり、一部の検索では検索履歴や場所などの多くの変数によって平均と異なる場合があると説明しています。手元の検索結果はその「一部の検索」の一例なので、下がった証拠にも下がっていない証拠にもなりません。

表示回数が減っただけでも、順位が下がったことになりますか?

いいえ、別のできごとです。表示回数は検索した人の数と検索されたクエリの顔ぶれで決まるので、順位が変わらなくても減ります。実際に、平均掲載順位が10.0位から7.2位へ上がった同じ期間に表示回数が107回から11回へ減ったページを、当サイトの計測で確認しています。表示が減ったときは、まず検索する人が減っていないかを疑ってください。

順位が下がったのはGoogleのアップデートのせいですか?

日付が合うかどうかで切り分けられます。Googleはランキングに関わる更新の履歴をSearch Status Dashboardで公開しているので、下がり始めた日と更新の期間が重なるかを見てください。重ならないなら、サイト側の変更か、競合側の変化か、通常の変動のいずれかを先に疑うことになります。

下がった順位は、待っていれば戻りますか?

戻ることもありますが、戻ると約束できるものではありません。順位はGoogle側の評価で決まるためです。できるのは、下がり方が一時的なものか続いているものかを数日から2週間ほど見て確かめ、続いているならそのページが検索した人の知りたいことに答えているかを見直すところまでです。

まとめ

  • 順位が下がったら、測り方 → 自社側 → 外側の順に切り分ける
  • 手元の検索結果は証拠にならない。公式ヘルプは掲載順位値をすべての検索の平均と説明している。平均はクエリをまたいだ平均なので、新しいクエリで下位に出るだけでも下がる
  • データは通常2〜3日遅れて届く。今朝の数字では判定できない
  • 表示回数が減ったのと、順位が下がったのは別。当サイトでは順位が10.0位から7.2位へ上がった期間に、表示回数が107回から11回へ減った例があった
  • 自社側は下がり始めた日の前後に触ったものから疑い、外側は更新の日付が重なるかで見る
  • 戻らないときは、下がったクエリを1つ選んで足りない部分だけ足す。全体の書き直しは最後の手段

原因のリストを覚えるより、確かめる順番を固定しておくほうが早く終わります。

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