アクセス解析入門

Looker Studioのテンプレート|そのまま使える型と限界

データポータル(旧称 Looker Studio)を使い始めるとき、多くの人がまず探すのがテンプレートです。ゼロから組むより早そうに見えるからです。

2026年4月に名前が戻ったため、解説記事などでは今も Looker Studio と書かれていることがあります。

結論から言うと、テンプレートは「完成品」ではなく「たたき台」です。コピーしただけでは自分のサイトの数字は正しく出ません。この記事では、テンプレートの入手方法と、コピー後に見込んでおきたい修正作業、そして中小企業のサイトなら最小構成を自作したほうが早い場合があるという現実的な判断基準をお伝えします。

Looker Studio自体の使い方はLooker Studioの使い方|週次レポートを自動化するにまとめています。

テンプレートはどこで手に入るか

まず試したいのは、Looker Studio内のテンプレートギャラリーです。

  1. Looker Studioにログインする
  2. 「テンプレートギャラリー」を開く
  3. 使いたいレポートを選び、右上の[編集して共有]を押す

Googleが作成したテンプレートが並んでいて、[編集して共有]から自分のレポートにコピーして使えます。ツール自体は無料で使えます。

外部サイトが配布しているテンプレートもありますが、データソースを自分のものに差し替える手間は、どこから入手しても見込んでおく必要があるものです。まずは公式ギャラリーから試すのが安全です。

ポイント

テンプレートは自分のレポートにコピーして使える。ただし「コピーした瞬間に自分の数字が出る」わけではない。

コピー後に見込んでおきたい3つの修正作業

ここが本題です。テンプレートを実用にするまでに、最低でも次の3つの作業を見込んでおく必要があります。

データソースの差し替え

コピー直後、レポートは作成者のデータソースを参照しています。コピー時に、コピーしたレポートで使うデータソースを選ぶ画面が出るので、自分のGA4プロパティを指定します。

複数プロパティを持っている場合は、ここで選び間違えると別サイトの数字が表示されます。プロパティIDを確認してから選んでください。

期間設定の確認

テンプレートによっては、期間が固定日付のまま公開されています。この状態だと翌週も同じ期間の数字が出続け、自動更新されません。

各グラフの期間設定を、「先週」のような相対指定か、データソースの既定の期間を使う「自動」に直します(アナリティクスのコネクタの既定は過去 28 日間)。これを見落とすと「更新されない」と感じることがあります。

使わない指標の削除

汎用テンプレートには、さまざまな用途を想定して指標が盛り込まれていることがあります。ECサイト向けの購入指標、広告費のROAS、動画再生数など、自社では使わないグラフが並んでいることもあります。

不要なグラフを消さずに残すと、毎週見るときに視線が散り、判断が遅くなります。使わない数字は、あることそのものがノイズになります。

注意

キーイベント(旧称はコンバージョン)に関するグラフが「データがありません」と表示されるときは、作成者のGA4と自分のGA4でイベント名が違っていないかを確かめてください。違っていたら、自分のGA4で設定済みのイベント名に置き換えます。

テンプレートと自作、どちらが早いか

「テンプレートのほうが早い」とは限りません。判断の目安はこうです。

状況向いている選択
見たい指標が多く、体裁も整えたいテンプレート(削る作業を許容する)
見る指標が5項目程度で決まっている自作(最小構成のほうが早い)
GA4のイベント設計が独自自作(差し替えが多く逆に手間)

中小企業のサイト運営で必要な数字は、アクセス解析レポートの作り方で挙げたとおり5項目です。それだけなら、グラフを4つ置く自作のほうが30分ほどで終わり、不要な要素も混ざりません。

盛り込まれた50個の指標から45個を消す作業より、必要な5個を置く作業のほうが速い、というのが実際のところです。

最小構成の自作テンプレート(4グラフ)

自作する場合の型を挙げておきます。1ページに収まる構成です。

  1. セッション数の推移(時系列グラフ・前期間比較オン)
  2. 流入経路の内訳(表/ディメンション:セッションのデフォルトチャネルグループ)
  3. ページ別の表示回数(表/ディメンション:ページパスとスクリーン クラス・上位10行)
  4. キーイベント数(スコアカード/自社でキーイベントとしてマークしたイベント)

これを一度作って自分用のテンプレートとして複製すれば、別サイトを見るときも、データソースを差し替えれば使い回せます。ただし、元のレポートと項目の構成が一致しないデータソースでは、グラフとコントロールが破損する場合があります。項目のリスト自体はアクセス解析レポートのテンプレート|そのまま使える項目リストにまとめました。

テンプレートで解決しないこと

テンプレートが提供するのは、数字の並べ方だけです。次の工程は含まれません。

  • 先週と比べて何が変わったのかを読み取る
  • なぜ変わったのかの仮説を立てる
  • 次にやることを1つ決める

グラフがどれだけ整っていても、この3つは人の作業として残ります。実際、「テンプレートを入れたのに、結局グラフを眺めて終わっている」という状態はよく起こります。

週報AIは、GA4とサーチコンソールのデータをAIが毎週(ライトプランは月1回)自動で取得し、変化の要点と次にやることまで日本語のレポートにしてメールで届けます。プレミアムプランではMicrosoft Clarityのデータもあわせて分析します。レポートの入れ物を用意して自分で読み解くのではなく、読み解いた結果が届く形です。

グラフを開きに行くこと自体が続かない、という方は、実際に届くレポートの中身をレポートの実物(見本)で確認してみてください。

よくある質問

Looker Studioのテンプレートはどこで手に入りますか?

Looker Studio内の「テンプレートギャラリー」にGoogleが作成したテンプレートが並んでいて、自分のレポートにコピーして使えます。Googleアナリティクス向けのテンプレートもここにあります。外部サイトが配布しているものもありますが、データソースの差し替えを見込んでおく必要がある点は同じです。まずは公式ギャラリーから試すとよいでしょう。

テンプレートをコピーすればすぐ使えますか?

そのままでは自分のデータは表示されません。コピー直後はデータソースが作成者のものを指しているため、自分のGA4プロパティに差し替える必要があります。さらに期間設定が固定日付になっていたり、自社では使わない指標が含まれていたりするため、実用までには調整が必要です。

テンプレートを使うと自作より早いですか?

必ずしも早くなりません。項目が多いテンプレートほど、不要なグラフの削除と指標の差し替えに時間がかかります。中小企業のサイトで見る指標は5項目程度なので、最小構成を自分で組んだほうが結果的に短時間で終わることも多くあります。

テンプレートの数字が0や「データがありません」になるのはなぜですか?

データソースの接続と指標の対応がずれていることが原因の一つとして考えられます。元のレポートと項目の構成が一致しないデータソースを選ぶと、グラフとコントロールが破損する場合があります。作成者のGA4と自分のGA4でイベント名やキーイベントの設定が異なる場合は、自分のGA4で設定済みのイベント名に置き換えてください。

レポートのテンプレートを使えば分析までできますか?

できません。テンプレートが提供するのは数字の並べ方であり、変化の理由や次の打ち手は含まれません。グラフが整っていても、読み解いて判断する工程は人が行う必要があります。この工程まで含めて仕組みにしたい場合は、レポートを自動生成するサービスを検討する選択肢もあります。

まとめ

Looker Studioのテンプレートはたたき台であり完成品ではありません。コピー後に「データソースの差し替え・期間の相対指定・不要な指標の削除」の3つの作業を見込んでおく必要があります。

  • 入手はLooker Studio内のテンプレートギャラリーから試すとよい
  • 見る指標が5項目程度なら、最小構成を自作したほうが早い
  • テンプレートは数字の並べ方までしか解決しない

レポートの体裁を整えることがゴールではなく、次の一手を決めることがゴールである点は変わりません。

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