アクセス解析入門

回遊率とは?GA4での見方と、エンゲージメント率で代用できない理由

「回遊率って、結局なにを数えた数字なんだろう」

「GA4を開いても、回遊率という項目が見つからない」

「エンゲージメント率で代わりになるのかな……」

直帰率や離脱率と並べて出てくるのに、いちばん置き場所が分かりにくい数字です。

先に答えを書きます。回遊率は「1回の訪問で平均何ページ見られたか」です。ページビュー数をセッション数で割った値です。たとえば、10万ページビュー・4万セッションなら2.5になります。

そしてGA4には「回遊率」という名前の項目がありません。ただしPV数のときと違って、同じ計算をする指標そのものは用意されています。名前が「セッションあたりのページビュー数」に変わっているだけです。

この記事では以下の3つを解説します。

  1. 回遊率とは何か、GA4のどれが同じ数字か
  2. この数字が「回った」を表していない場面
  3. エンゲージメント率・直帰率で代用できない理由

読み終える頃には、この数字を見たときにどこまで言えるのかが分かります。

回遊率とは、1回の訪問で平均何ページ見られたかです

回遊率は、訪問1回あたりの平均ページ数を表します。計算は割り算ひとつです。

回遊率 = ページビュー数 ÷ セッション数

実測値回遊率読み方
10万PV ÷ 4万セッション2.51回の訪問で平均2.5ページ
10万PV ÷ 9万セッション1.1ほとんどの訪問が1ページで終わっている

1に近いほど、来た人がそのページだけ見て帰っていることになります。

ポイント

回遊率=ページビュー数 ÷ セッション数。「率」と付きますが、単位はパーセントではなくページ数です。

この割り算そのものはPV数とは?セッション数との違いと、GA4で見るときの注意でも扱っています。本記事は、その値を回遊率と呼んだときに何が言えて何が言えないかに絞ります。

GA4に「回遊率」という名前はありません

GA4の画面で「回遊率」を探しても出てきません。Googleが定めた指標名ではなく、日本のウェブ解析で使われている呼び名だからです。

実際、Googleが公開しているGA4の指標一覧を通して調べても、「回遊」という語は1件も出てきません。

代わりにあるのが「セッションあたりのページビュー数」です。資料にはこう書かれています。

ユーザーが 1 回のセッションで閲覧したアプリの画面またはウェブページの数。同じページやスクリーンが繰り返し表示された場合も集計されます(計算方法: (screen_view イベント数 + page_view イベント数)÷ セッション数)。

計算方法が、回遊率の式そのものです。名前が違うだけで、探していた数字はここにあります。

表示回数をセッション数で割っても、同じ値になります。そのため、レポートに2つを並べて手で割っても構いません。

その数字は「同じページの開き直し」も数えます

ここが本題です。引用した定義には、見落とせない一文が入っています。

同じページやスクリーンが繰り返し表示された場合も集計されます

つまり、別のページへ移ったのか、同じページを開き直したのかを、この数字は区別しません。

回遊率が上がる場面には、こういうものが混ざります。

  • 申し込みフォームでエラーが出て、同じページを3回読み込んだ
  • 検索結果ページで条件を変えるたびに、同じURLが再表示された
  • 記事を読んだあと戻るボタンで一覧へ戻り、また同じ記事を開いた

どれも「3ページ見た」と数えられますが、読者にとってはうまくいかなかった訪問です。

回遊率が2.5だから、2.5ページを回ったとは言えません。値が上がったときは、増えた分がどのページなのかを開いて確かめる必要があります。ページ別に分けずに全体の数字だけを追うと、この違いは最後まで見えません。

エンゲージメント率・直帰率では代用できません

「2ページ以上見た訪問の割合」を知りたくて、エンゲージメント率を代わりに使う例をよく見ます。これは別の数字です。

Googleのヘルプには、エンゲージメントセッションの条件がこう書かれています。

エンゲージメント セッションとは、次のいずれかの条件を満たすセッションを指します。
・10 秒以上継続する
・キーイベントが発生する
・ページビューまたはスクリーン ビューが 2 回以上発生する

「2回以上表示された」は、3つある条件のうちの1つにすぎません。1ページを10秒読んで帰った訪問も、エンゲージメントセッションに入ります。

見たい状態使う数字
1回の訪問で平均何ページ開かれたかセッションあたりのページビュー数(=回遊率)
10秒以上・キーイベント・2ページ以上のいずれかが起きた訪問の割合エンゲージメント率
上のどれも起きなかった訪問の割合直帰率

直帰率も同じ理由で代わりになりません。GA4の直帰率は「エンゲージメントのなかったセッションの割合」で、エンゲージメント率の裏返しです。100から引いても「2ページ以上見た割合」にはなりません。

エンゲージメント率そのものの読み方は、GA4のエンゲージメント率とは?目安の数字をどう扱うかにまとめています。直帰率の読み方は、GA4の直帰率とは?UAとの違いと、高いときの読み方にあります。

平均や目安の数字と比べても、判断は進みません

「回遊率の目安は2ページ」といった数字をよく見かけますが、そのまま自分のサイトに当てはめても次の一手は出てきません。

ページの役割で、あるべき値が逆になるからです。

  • 営業時間や電話番号を確かめに来たページ … 1に近いのが正常
  • 何かを比べて選ぶためのページ … 複数ページをまたぐのが前提
  • 1本で答えが完結する記事 … 読み終えて帰るのが成功

比べる相手は外の平均ではなく、自分のサイトの先週・先月です。同じページの同じ流入経路で、値が動いたかどうかを見ます。目安の数字をどう扱うかという話は、エンゲージメント率の記事でも同じ形で扱いました。

読むときの順番

回遊率は単独で判断できる数字ではありません。動いたときは、この順で分解します。

  1. どのページの回遊率が動いたか(サイト全体の平均では分からない)
  2. そのページへどこから来ているか(流入経路が変われば読者も変わる)
  3. 増えた分が別ページへの移動なのか、同じページの開き直しなのか

3つめは、この記事で見たとおり回遊率だけでは区別できません。GA4の経路データ探索や、次に開かれたページの一覧まで下りて確かめることになります。

セッションの区切り方そのものが影響する場面もあります。時間が空いて訪問が2つに割れると、同じ行動でも回遊率は下がります。数え方の前提はGA4のセッションとは?定義と数え方、ユーザー数との違いにまとめました。

よくある質問

回遊率とは何ですか?

1回の訪問で平均何ページ見られたかを表す数字です。ページビュー数をセッション数で割って求めます。10万ページビューで4万セッションなら2.5で、1回の訪問あたり平均2.5ページが開かれたことになります。Googleが定めた指標名ではなく、日本のウェブ解析で使われている呼び名です。

GA4のどこを見れば回遊率が分かりますか?

「セッションあたりのページビュー数」という指標が同じ計算をしています。Googleの資料では「(screen_view イベント数 + page_view イベント数)÷ セッション数」と説明されています。「回遊率」という名前では出てきません。表示回数とセッション数を自分で割っても同じ値になります。

回遊率が2.5なら2.5ページを回ったということですか?

そうとは限りません。この数字は同じページが繰り返し表示された分も数えます。フォームでエラーが出て同じページを3回読み込んだ訪問も「3ページ」と数えられます。値が高いことが、いつも良い状態を意味するわけではありません。

エンゲージメント率を回遊率の代わりに使えますか?

使えません。エンゲージメントセッションの条件は、「10秒以上継続する」「キーイベントが発生する」「ページビューまたはスクリーンビューが2回以上発生する」のいずれかです。2ページ以上見ることは、3つのうちの1つにすぎません。1ページを10秒読んで帰った訪問もエンゲージメント率に入ります。

回遊率の目安は何ページですか?

業種やページの役割で変わるので、外の平均値と比べる意味はほとんどありません。営業時間を確かめに来たページは1に近くなりますし、比較して選ぶページは高くなります。自分のサイトの先月・先週と比べるほうが判断の材料になります。

まとめ

回遊率は「1回の訪問で平均何ページ見られたか」で、ページビュー数をセッション数で割った値です。

GA4に「回遊率」という名前の項目はありませんが、「セッションあたりのページビュー数」が同じ計算をしています。表示回数とセッション数を自分で割っても同じ値です。

ただしこの数字は同じページの開き直しも数えます。値が高いことが、いつも良い状態を意味するわけではありません。

そしてエンゲージメント率や直帰率は代わりになりません。エンゲージメントの条件は3つあり、「2ページ以上見た」はそのうちの1つだからです。

まずは「レポート → エンゲージメント → ページとスクリーン」で表示回数の多いページを開き、そこから先で何が開かれているかを1ページずつ確かめてみてください。全体の平均値より、そちらのほうが手がかりになります。

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