アクセス解析入門

サーチコンソールの権限付与|3種類の違いと外部に渡すときの判断

サーチコンソールの権限付与でつまずくのは、手順そのものではありません。「相手にどこまで渡せばいいのか」が決まらないことです。

制作会社に見てもらう、解析サービスと連携する、社内の別の担当者に共有する。目的は違っても、渡しすぎれば不要なリスクを抱え、絞りすぎれば相手の作業が止まります。

ここでは3種類の権限の違いを押さえたうえで、外部に渡すときの判断基準を整理します。

権限は3種類ある

サーチコンソールでユーザーに付ける権限は、大きく次の3つに分かれます。

権限できること他のユーザーの管理
所有者すべての機能・すべてのデータできる
フルユーザーすべてのデータの閲覧と、一部の操作できない
制限付きユーザーほとんどのデータの閲覧できない

決定的な違いは一番右の列です。所有者だけが、他のユーザーを追加したり削除したりできます。

つまり所有者を渡すということは、「自分以外の誰かを呼び込む権利」まで渡すということです。

なお所有者には、サイトの所有権を自分で確認した確認済み所有者と、その人から指名された委任された所有者があります。区分の詳細や画面の名称は更新されることがあるため、正確な内容はGoogleの公式ヘルプでご確認ください。

公式のヘルプの権限の一覧には、このほかに「協力者」も挙がっています。協力者は、サイトのSearch Consoleアカウントやデータを直接開くことや表示することはできません。この記事では、ユーザーに付ける3つの権限を扱います。

付与する手順

所有者のアカウントで、次の順に進みます。

  1. 対象のプロパティを開き、ナビゲーションパネルの設定を開く
  2. ユーザーと権限を開く
  3. ユーザーを追加から、相手のメールアドレスと権限を指定する

追加できるのはGoogleアカウントのメールアドレスです。相手がGoogleアカウントを持っていない場合は、先に用意してもらう必要があります。

注意

画面の配置や項目名は変わることがあります。この手順どおりの表示が見つからない場合は、公式ヘルプで最新の画面をご確認ください。手順を丸暗記するより、「設定の中にユーザーの一覧がある」とだけ覚えておくほうが長く使えます。

外部に渡すとき、どれを選ぶか

ここが本題です。判断は目的から逆算します。

レポートを見てもらうだけなら「制限付きユーザー」

数字を見て分析してもらう、レポートを作ってもらう、という目的なら、制限付きユーザーで足ります。検索パフォーマンスのデータは制限付きでも見られるためです。

迷ったら制限付きから始めてください。相手から「この操作ができない」と言われてから上げれば済みます。

逆の順番、つまり最初に広く渡してあとで絞るのは、渡したまま放置されがちです。

操作が必要なら「フルユーザー」

URL検査からのインデックス登録のリクエストや、一部の設定に触れてもらう必要がある場合はフルユーザーになります。「サイトの改善作業まで任せている」相手が該当します。

「所有者」は原則として渡さない

外部に所有者を渡す理由は、ほとんどの場合ありません。前述のとおり所有者は他のユーザーを管理できるため、渡した相手がさらに別の誰かを追加することもできます。

ポイント

権限を渡す判断は、相手を信用しているかどうかの話ではありません。取引が終わったあとに何が残るかの話です。担当者が変わっても、契約が終わっても、権限は、手で取り消さない限り残ると考えておくのが安全です。

渡したあとに、やっておくこと

付与して終わりにしないでください。2つだけ習慣にしておくと後で困りません。

ひとつは、一覧の棚卸しです。 ユーザーと権限の画面には、いま権限を持っている相手が並んでいます。

年に一度は開いて、すでに関係の終わった会社や退職した担当者が残っていないかを見てください。ここを見ない限り、増えたことにも気づけません。

もうひとつは、解除は自分の操作でできると知っておくことです。 フルユーザー・制限付きユーザーなら、一覧から削除すれば、その時点で相手はアクセスできなくなります。

削除は所有者の操作だけで終わり、公式ヘルプによると変更はすぐに反映されます。これを知っていると、権限を渡すときの心理的なハードルが下がります。

ただし、確認済み所有者は別です。確認トークンがサイトに残っている限り、削除された所有者はプロパティの所有権を再確認できると、公式のヘルプに書かれています。確認済み所有者を渡したときは、そのユーザーの確認トークンもすべて削除するのが、Googleの推奨です。

よくある詰まりどころ

  • 「ユーザーと権限」が見当たらない:ご自身が所有者ではない可能性があります。このページは所有者にだけ表示され、付与できるのも所有者だけです
  • 追加したのに相手が見られない:権限はプロパティごとに付きます。相手が見ているプロパティと、権限を付けたプロパティが一致しているかを確認してください
  • メールアドレスが受け付けられない:Googleアカウントとして有効なアドレスである必要があります

2つ目の「別プロパティ問題」は、https:// あり・なし、www あり・なしで複数のプロパティを作っている場合に起きやすくなります。どのプロパティの数字を見ているのかは、サーチコンソールの使い方|検索の数字を次の一手に変えるでも触れています。

週報AIの場合

参考までに、当方のサービスでどう扱っているかをお伝えします。

週報AIでは、GA4・サーチコンソールともに閲覧のみの最小権限をお預かりしています。分析専用のアカウントを、お客様ご自身の操作で閲覧用のユーザーとして追加していただく方式です。

パスワードをお預かりすることはありません。付与する権限の種類や作業にかかる時間はデータ連携・設定のよくある質問にまとめています。

この方式を選んでいる理由は、この記事で書いてきたことと同じです。

渡す範囲がGoogleの画面上で明示され、いつでも確認できること。そして解除がお客様の操作だけで完結することです。

詳しくは付与するのは閲覧権限だけというのは本当ですか?にまとめています。

そのうえで、GA4とサーチコンソールのデータをAIが毎週(ライトプランは月1回)自動で取得し、「今週何が変わったか・なぜか・次に何をすべきか」を、専門用語を使わない日本語のレポートにしてメールで届けます。数字を見る権限を渡したあと、その数字を読み解く手間まで含めて預けられる形です。

GA4側は役割が5つに分かれていて、外部に渡すときの判断も少し変わります。あわせて渡す場面が多いので、GA4の権限付与|5つの役割の違いと、外部に渡すときの判断もご覧ください。

アクセス解析そのものの全体像はアクセス解析とは?何を見て、どう改善するかの入門ガイドをご覧ください。

よくある質問

サーチコンソールの権限は何種類ありますか?

ユーザーに付ける権限は、所有者・フルユーザー・制限付きユーザーの3種類です(公式のヘルプは、このほかにアカウントを開けない「協力者」も挙げています)。所有者はすべての機能を使えるうえ、他のユーザーへの権限付与や削除もできます。フルユーザーはすべてのデータを見られ、一部の操作もできます。制限付きユーザーはほとんどのデータの閲覧に限られます。なお画面の名称や区分は更新されることがあるため、最新の情報はGoogleの公式ヘルプでご確認ください。

外部の会社にはどの権限を渡せばいいですか?

レポートを見てもらう、数字を分析してもらう、という目的であれば制限付きユーザーで足ります。まず制限付きで渡し、相手から「この操作ができない」と言われてから上げるのが安全です。最初からフルユーザーや所有者を渡すと、必要のない操作までできる状態が続きます。

外部に所有者権限を渡しても大丈夫ですか?

おすすめしません。所有者は他のユーザーを追加・削除できるため、渡した相手が別の誰かを追加することもできます。また所有者は、サイトの所有権を確認するトークンも扱います。取引が終わったあとに関係が残り続けるリスクがあるため、外部に渡す権限としては過剰です。

「ユーザーと権限」の画面が見つかりません。

ご自身が所有者でない場合、この画面から他のユーザーを追加することはできません。権限を付与できるのは所有者だけです。また、権限はプロパティごとに付きます。ドメインプロパティとURLプレフィックスプロパティは別のプロパティとして扱われますが、親にあたるプロパティの所有者は、含まれるプロパティのユーザーも追加・削除できるとされています。どちらのプロパティを開いているかもあわせてご確認ください。

渡した権限はあとから取り消せますか?

取り消せます。所有者であれば、フルユーザー・制限付きユーザーは、ユーザーの一覧から該当のユーザーを削除するだけで、その時点でアクセスできなくなります。公式ヘルプでも、変更はすぐに反映されると案内されています。確認済み所有者を渡した場合は、そのユーザーの確認トークンもすべて削除してください。年に一度は一覧を開いて、すでに関係の終わった相手が残っていないかを確認することをおすすめします。

まとめ

  • ユーザーに付ける権限は所有者・フルユーザー・制限付きユーザーの3種類。所有者だけが他のユーザーを管理できる
  • 外部に渡すときは、まず制限付きユーザーから。足りなければ上げる
  • 所有者は原則として外部に渡さない。取引が終わったあとに関係が残る
  • 付与したら、年に一度は一覧を棚卸しする
  • 解除は自分の操作でできる。変更はすぐに反映される。確認済み所有者は、確認トークンの削除も要る

「どこまで渡すか」で迷ったら、渡す相手にやってほしいことを1つだけ書き出してみてください。それができる最小の権限が答えです。

サイトの数字を見るのをやめて、AIに読ませませんか?

この記事の運営者が開発した「週報AI」は、GA4・サーチコンソールなどのデータをAIが分析し、"次にやること"まで日本語レポートで届けるサービスです。

関連記事