アクセス解析入門

アクセス解析の結果を上司に報告する方法|伝わる型

「アクセス解析の数字は集めたけれど、上司にどう報告すればいいのか分からない」——毎週の報告が憂うつになっていないでしょうか。

結論から言うと、上司への報告は数字の一覧ではなく、「何が変わったか・なぜか・次に何をするか」の3点に絞ると伝わります。

この記事では、伝わる報告の型と、そのまま使える報告文の雛形をお渡しします。レポートそのものの作り方はアクセス解析レポートの作り方|載せる項目と手順を型にするにまとめているので、あわせてご覧ください。

なぜアクセス解析の報告は上司に伝わらないのか

報告が伝わらない原因は、報告する側の説明能力ではなく、渡しているものの種類にあります。

数字の一覧を渡すと、上司はそこから自分で意味を読み取らなければなりません。ところが上司は、あなたほどサイトの数字を毎日見ていません。結果として「で、どうなの?」という反応になります。

報告で渡すべきものは数字ではなく、判断の材料です。ここを取り違えている限り、資料を厚くするほど伝わらなくなります。

よくある伝わらない報告は、次の3タイプです。

タイプ報告の中身上司側の反応
数字羅列型セッション・PV・直帰率などを並べる「それで、良いの?悪いの?」
用語過多型GA4の画面の言葉のまま説明する用語の質問で会話が終わる
良い数字だけ型伸びた指標だけを取り上げる後で問題が出たときに信頼を失う

上司が知りたいのは何か

上司が報告から得たいのは、次の3点だけです。逆に言えば、この3点が入っていれば分量は少なくて構いません。

知りたいこと具体的には分量の目安
何が変わったか前の期間と比べて最も動いた数字1つ1行
なぜ変わったかその理由として考えられる仮説1つ1〜2行
次に何をするか次の期間にやること1つ1行

ポイント

3点それぞれ「1つだけ」に絞るのが要点です。変化した数字を5つ挙げると、どれが重要なのか相手には判断できません。最も動いた1つを選ぶ作業こそが、報告する側の仕事です。

伝わる報告の型(所要5分)

型として固定してしまえば、毎回の判断は減ります。手順は次の3ステップです。

  1. 最も動いた数字を1つ選ぶ。前の期間と比べて変化率が大きいものを1つだけ。
  2. その週にやったことと突き合わせる。記事の公開、広告の出稿、季節要因、他社の動き。この中に理由の候補があります。
  3. 次にやることを1つ書く。実行できる粒度まで具体化します(「改善する」ではなく「タイトルを1本見直す」)。

報告の質は、集めた数字の量ではなく「次にやることが1つ決まっているか」で決まります。この基準で作ると、報告は短くなります。

そのまま使える報告文の雛形

週次報告(メール本文・5〜10行)

件名:サイト週次レポート(M月D日〜D日)

お疲れさまです。今週のサイトの状況です。

変化:検索結果への表示回数が前週比+20%(1,200→1,440回)。一方、サイトへの訪問回数は横ばいでした。
理由(仮説):先週公開した記事が検索結果に出始めたものの、タイトルがクリックされていないと考えられます。
次にやること:表示回数が増えたページのうち1本のタイトルと説明文を見直します。

詳細な数字は添付をご確認ください。

月次報告(会議用・1枚)

今月の結論:問い合わせは前月比+2件。検索からの流入が増えたことが主な要因です。

数字(前月比)
・訪問回数:3,200(+12%)
・検索からの流入:1,900(+25%)
・問い合わせ:7件(+2件)

今月やったこと:導入事例の記事を2本公開/問い合わせフォームの項目を7つ→4つに削減
来月やること:反応の良かった導入事例の続編を2本。フォーム改善の効果を1か月分で確認します。
判断が必要なこと:広告の出稿を継続するかどうか(現状は問い合わせ1件あたりの費用が先月より上昇)

数字が悪化したときの報告

変化:問い合わせが前月の7件から3件に減少しました。
理由(仮説):訪問回数は横ばいのため、集客ではなくページ側の要因と見ています。先月フォームを変更した時期と一致しています。
次にやること:フォームの入力途中での離脱を1週間分確認し、変更前の形に戻すかを判断します。
ご相談:切り分けに1週間いただきたいです。それまで広告は現状維持で進めます。

注意

悪い数字ほど、早く・自分から報告するほうが結果的に信頼されます。伏せていた数字が後から出てくると、報告そのものが信用されなくなります。

専門用語をどう言い換えるか

社内で共通言語になっていない用語は、言い換えたほうが速く伝わります。用語の説明に使う時間は、判断の時間を削っています。

ツール上の表記報告での言い換え
セッション訪問回数
ユーザー訪問した人の数
ページビューページが見られた回数
直帰率1ページだけ見て帰った割合
表示回数(インプレッション)検索結果に出た回数
クリック率(CTR)検索結果に出たうち、クリックされた割合
コンバージョン問い合わせ・申し込みの数
オーガニック検索検索から来た訪問

言い換えの目的は分かりやすさではなく、会話を数字の意味ではなく判断に集中させることです

数字が悪かったときはどう報告するか

悪い数字の報告は、次の3点セットにすると相談の場になります。逆に、どれか1つでも欠けると追及の場になりやすくなります。

  • 落ちた数字を1つに特定する(全体が悪いのか、特定の経路だけかを切り分ける)
  • 考えられる理由を1つ挙げる(断定せず「〜と見ています」で構いません)
  • 次にやることを1つ添える(判断を仰ぐ場合は、いつまでに何を持ってくるかを書く)

原因が分からない場合も、「分からない」で止めず「切り分けに1週間ください」と期限つきで出すほうが、相手は判断できます。

報告のための集計が終わらないときは

型が決まっても、毎週これを埋める作業自体はなくなりません。報告が止まる原因のほとんどは、書き方が分からないからではなく、単に時間が取れないからです。

打ち手は2方向あります。ひとつは集計の自動化で、ダッシュボードを作って転記をなくす方法です。もうひとつは読み解きまで含めた自動化で、レポートが文章の形で届く方法です。違いはSEOレポート自動化の方法|手作業をやめて仕組みで回すで整理しています。

週報AIは、GA4・サーチコンソール・Microsoft Clarityのデータを毎週自動で集計し、この記事で言う「何が変わったか・なぜか・次に何をするか」まで日本語で書かれたレポートをメールで届けます。届いた文面を、そのまま報告の下敷きに使える形です。実際の中身は無料のサンプルで確認できます。

なお、報告書そのものの項目を固定したい場合はアクセス解析レポートのテンプレート|そのまま使える項目リストもあわせてどうぞ。

まとめ

アクセス解析の結果を上司に報告するときは、数字の一覧ではなく「何が変わったか・なぜか・次に何をするか」の3点を渡します。

  • 変化した数字は最も動いた1つに絞る(5つ並べると判断できない)
  • 専門用語は社内で通じる言葉に言い換える
  • 悪い数字ほど早く、原因の仮説と次の打ち手をセットで出す
  • 報告文は毎回同じ型にする(型が決まれば作成時間は5分に近づく)

報告の目的は、数字を見せることではなく、上司が次の判断を1つできる状態にすることです。

よくある質問

アクセス解析の結果を上司に報告するとき、何を伝えればいいですか?

「何が変わったか・なぜ変わったか・次に何をするか」の3点です。数字の一覧は資料として添えるだけにして、本文はこの3点に絞ります。上司が判断したいのは数字そのものではなく、続けるか・変えるか・止めるかの意思決定であるためです。3点それぞれ1〜2行で十分です。

報告に専門用語を使わないほうがいいですか?

社内で共通言語になっていない用語は言い換えたほうが伝わります。セッションは「訪問回数」、直帰率は「1ページだけ見て帰った割合」、表示回数は「検索結果に出た回数」、コンバージョンは「問い合わせ・申し込みの数」といった具合です。用語を説明する時間が、判断の時間を奪ってしまうのを防げます。

数字が悪かったときは、どう報告すればいいですか?

隠さず、原因の仮説と次の打ち手をセットで出すのが基本です。「下がりました」だけでは相手が判断できず、追及の場になります。落ちた数字を1つに特定し、考えられる理由を1つ挙げ、次にやることを1つ添える。この3点があれば、報告は責任追及ではなく相談の場になります。

報告はどのくらいの頻度・分量が適切ですか?

週次ならメール本文で5〜10行、月次なら1枚にまとめるのが目安です。週次は変化に早く気づくためのもので、細かい振れ幅を追いすぎないようにします。月次は前年同月比や施策の振り返りを含めて厚くします。分量を増やすより、毎回同じ型で出すほうが読まれます。

報告資料を作る時間が取れません。どうすればいいですか?

項目を固定して収集を30分以内に収め、残りを考察にあてるのが第一歩です。それでも回らない場合は、集計を自動化する方法と、読み解きまで自動化する方法があります。前者はダッシュボードの作成、後者はレポート自体が文章で届く仕組みで、どちらも毎週の手作業を減らす方向の選択肢です。

サイトの数字を見るのをやめて、AIに読ませませんか?

この記事の運営者が開発した「週報AI」は、GA4・サーチコンソール・Clarityのデータを毎週AIが分析し、"次にやること"まで日本語レポートで届けるサービスです。

関連記事