アクセス解析入門

GA4の権限付与|5つの役割の違いと、外部に渡すときの判断

GA4の権限付与は、サーチコンソールより一段ややこしくなっています。理由は2つあります。役割が5つに分かれていることと、アカウントとプロパティという2つの階層があることです。

この2つを取り違えると、「1サイトだけ見せるつもりが、全サイト見える状態になっていた」ということが起こります。ここでは役割の違いと階層の関係を押さえたうえで、外部に渡すときの判断、そして個人情報の扱いまでを整理します。

サーチコンソール側の考え方はサーチコンソールの権限付与|3種類の違いと外部に渡すときの判断にまとめています。両方を渡す場面が多いので、あわせてご覧ください。

役割は5つ

GA4の権限は「役割」として設定します。

役割できること
管理者権限の管理を含む、すべての操作
編集者データや設定の変更(権限の管理はできない)
マーケティング担当者オーディエンスやコンバージョンなどの編集
アナリスト探索の作成・共有など、分析まわりの操作
閲覧者データを見る

上から順に、できることが狭くなっていきます。外部に渡すことを考えるときの分かれ目は、管理者かどうかです。管理者だけが他のユーザーを追加・削除できます。

これとは別に、データ制限という設定があります。費用に関する指標を見せない、収益に関する指標を見せない、といった絞り込みです。役割と組み合わせて使えます。

役割の名称や区分は更新されることがあるため、正確な内容はGoogleの公式ヘルプでご確認ください。

アカウントとプロパティ、どちらで付けるか

ここが最も事故が起きるところです。

GA4は「アカウント」の下に「プロパティ」がぶら下がる構造になっています。1つの会社で複数のサイトを運営している場合、1つのアカウントの下に複数のプロパティが並んでいることがあります。

そして、アカウントレベルで付けた権限は、配下のすべてのプロパティに引き継がれます。

注意

「A社のサイトだけ見てもらうつもりで権限を付けたら、B社のサイトのデータも見えていた」。この事故は、アカウントレベルで付与したときに起きます。外部に渡すときは、必ず該当のプロパティを開いてから付けてください。

逆に、あとから「消したいのに消せない」という場面もあります。プロパティの画面に表示されているのにグレーアウトして削除できない場合、その権限はアカウントレベルで付いています。どの階層で付与されたものかを確認してから操作してください

付与する手順

管理者のアカウントで、次の順に進みます。

  1. 左下の管理を開く
  2. 権限を付けたい階層(アカウントプロパティ)の列で、アクセス管理を開く
  3. 右上のからユーザーを追加を選び、メールアドレスと役割を指定する

追加できるのはGoogleアカウントのメールアドレスです。相手が持っていない場合は先に用意してもらいます。

画面の配置は変わることがあります。見当たらないときは公式ヘルプで最新の手順をご確認ください。

外部に渡すとき、どれを選ぶか

判断はサーチコンソールと同じ考え方です。相手にやってほしいことから逆算します。

数字を見て分析してもらうだけなら「閲覧者」

レポートを作ってもらう、傾向を読んでもらう。この目的なら閲覧者で足ります。標準レポートも探索の結果も、閲覧者で見られます。

ただし、相手が自分で探索を新しく作りたい場合はアナリストが必要になります。「表を作って渡してほしい」と頼むならアナリスト、「できあがったものを見るだけ」なら閲覧者、という切り分けです。

設定にも触れてもらうなら「編集者」

イベントやコンバージョンの設定、内部トラフィックの除外などに触れてもらう場合は編集者です。ここから先は、相手の操作でデータの記録され方が変わります。設定を変えた日をこちらでも記録しておいてください。あとから数字が動いた理由を追えなくなります。

「管理者」は原則として渡さない

管理者は他のユーザーを管理できるため、渡した相手がさらに別の誰かを追加できます。取引が終わったあとに関係が残り続ける形になるので、外部に渡す役割としては過剰です。

ポイント

迷ったら閲覧者から始めてください。「この操作ができない」と言われてから上げれば済みます。最初に広く渡してあとで絞る、という順番は実際にはほとんど実行されません。渡したまま放置されます。

個人情報は、そもそも送ってはいけない

権限の話とあわせて押さえておきたいのが、GA4に何を送っているかです。

氏名・メールアドレス・電話番号といった個人を特定できる情報をGA4に送ることは、Googleの規約で禁止されています。これは権限を絞れば解決する話ではありません。送ってしまえば、権限のある全員が見られる状態になります。

意図せず送ってしまう典型は次の2つです。

  • URLのパラメータに入っている:フォームの入力内容がそのままURLに載り、それがページのパスとして記録される
  • サイト内検索のクエリに入っている:利用者が検索窓に個人情報を入力する

前者は自分で確認できます。申込み完了ページや問い合わせ完了ページのURLを一度見て、`?` 以降に氏名やメールアドレスが入っていないかを確かめてください。入っていた場合は、サイト側の作りを直すのが本筋です。

なお、アクセス解析と個人情報保護法の関係については、事業の内容や取得しているデータによって扱いが変わります。判断に迷う場合は専門家にご確認ください。この記事で述べているのは、あくまでGA4の規約上、個人を特定できる情報を送ってはいけないという点です。

週報AIの場合

当方のサービスでは、GA4・サーチコンソールともに閲覧のみの最小権限をお預かりしています。分析専用のアカウントを、お客様ご自身の操作で閲覧用のユーザーとして追加していただく方式で、パスワードをお預かりすることはありません。設定を変更することもできません。

分析にはAIを使いますが、送信するのは集計済みのデータのみで、個人を特定する情報は送信しません。詳しくは付与するのは閲覧権限だけというのは本当ですか?をご覧ください。

そのうえで、GA4とサーチコンソールのデータをAIが毎週(ライトプランは月1回)自動で取得し、「今週何が変わったか・なぜか・次に何をすべきか」を、専門用語を使わない日本語のレポートにしてメールで届けます。

GA4で実際に何を見ればいいのかはGA4の使い方|見るべき数字と「次の一手」の考え方にまとめています。

よくある質問

GA4の権限にはどんな種類がありますか?

役割として、管理者・編集者・マーケティング担当者・アナリスト・閲覧者があります。管理者は権限の管理を含むすべての操作ができ、閲覧者はデータを見ることに限られます。これとは別に、費用や収益の指標を見せないというデータ制限を組み合わせられます。役割の名称や区分は更新されることがあるため、最新の内容はGoogleの公式ヘルプでご確認ください。

アカウントとプロパティのどちらで権限を付ければいいですか?

外部に渡すときはプロパティレベルです。アカウントレベルで付けた権限は配下のすべてのプロパティに引き継がれるため、複数サイトを1つのアカウントで管理している場合、見せるつもりのなかったサイトのデータまで見られる状態になります。1サイトぶんだけ見てもらいたいなら、そのプロパティで付けてください。

外部の会社にはどの役割を渡せばいいですか?

数字を見て分析してもらうだけなら閲覧者で足ります。相手がイベントやコンバージョンの設定にも触れる必要がある場合に編集者を検討してください。管理者は他のユーザーの追加・削除ができるため、外部に渡す役割としては過剰です。まず閲覧者から始めて、足りないと言われてから上げるのが安全です。

GA4に個人情報を送ってもいいですか?

いけません。氏名やメールアドレス、電話番号といった個人を特定できる情報をGA4に送ることは、Googleの規約で禁止されています。意図せず送ってしまう典型が、フォームの入力内容がURLのパラメータに載っているケースです。申込み完了ページのURLを一度確認し、パラメータに個人情報が入っていないかを見てください。

GA4で渡した権限はあとから取り消せますか?

取り消せます。管理者であれば、アクセス管理の一覧から該当のユーザーを削除するだけで、その時点でアクセスできなくなります。相手の承諾は必要ありません。ただしアカウントレベルで付いた権限はプロパティ側の画面では消せないため、どの階層で付与されたものかを確認してから操作してください。

まとめ

  • 役割は管理者・編集者・マーケティング担当者・アナリスト・閲覧者の5つ。分かれ目は管理者かどうか
  • アカウントレベルの権限は配下の全プロパティに引き継がれる。外部に渡すときは必ずプロパティで付ける
  • 外部には閲覧者から始める。探索を作ってもらうならアナリスト、設定に触れてもらうなら編集者
  • 管理者は原則として渡さない
  • 個人を特定できる情報はGA4に送ってはいけない。URLパラメータに入っていないかを一度確認する

権限は、渡すときより外すときのほうが忘れられます。付与した日を記録しておくと、棚卸しのときに判断できます。

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