アクセス解析入門

GA4の探索レポートとは?7つの手法と、使う前に知っておく制限

「探索レポートって、標準のレポートと何が違うんだろう」

「手法が8つあると書いてある記事と、6つと書いてある記事がある……」

「作ってみたけれど、この数字をそのまま報告していいのかな」

GA4でいちばん自由度が高く、いちばん迷う場所です。

先に答えを書きます。探索は、標準レポートに出てこないデータと分析手法を使って、自分で表を組み立てる場所です。Googleの説明では「レポートに掲載されないデータや分析手法を利用でき、データを詳細に探索できる」とされています。

そして出した数字には、サンプリングがかかっていることがあります。かかっていれば画面で分かる仕組みがあるので、報告に使う前にそこを見ます。

この記事では以下の3つを解説します。

  1. 探索とは何か、標準レポートとどう違うか
  2. 公式が挙げている7つの手法
  3. 使う前に知っておく制限(サンプリングと4つの上限)

操作の手順は書きません。画面の名前と位置は変わるので、手順は提供元のヘルプで確かめるのが確実です。この記事は、開く前と、出したあとに確かめることに絞ります。

探索とは、標準レポートに無いデータと手法を使う場所です

Googleのヘルプは、標準レポートとの役割の違いをこう説明しています。

Google アナリティクスのデフォルトのレポートでは、主要なビジネス指標を確認できます。データ探索ツールを使用すると、レポートに掲載されないデータや分析手法を利用でき、データを詳細に探索できるため、データに関する複雑な質問への答えが得られます。

標準レポートは決まった数字を見る場所、探索はその場かぎりの問いに答える場所という分かれ方です。

標準レポート探索
見るもの主要な指標レポートに載らないデータ・手法
組み立てできあがっている自分で作る
向いている問い決まった数字を定期的に追うその場かぎりの深掘り

なお、Googleの呼び名は「データ探索」です。画面の左メニューにもそう出ます。「探索レポート」は広く使われている通称で、指しているものは同じです。

公式が挙げている手法は7つです

解説記事によって「6つ」「8つ」と数が違うので、出どころをそろえておきます。Googleのヘルプが列挙しているのは7つです。

手法何を見るもの
自由形式のデータ探索クロス集計表。棒グラフ・円グラフ・折れ線・散布図・地域マップの表示もできる
コホートデータ探索共通の属性を持つユーザーのグループの行動
目標到達プロセスデータ探索タスクを完了するまでのステップの可視化
セグメントの重複複数のユーザーセグメントの関係
ユーザーデータ探索セグメントを構成しているユーザー。個々の行動まで下りられる
経路データ探索どのような経緯でアクセスしているかの可視化
ユーザーのライフタイム顧客としてのライフタイムバリューの評価

最初に開くなら自由形式です。クロス集計表なので、ディメンションと指標を置き換えるだけで大半の問いに形が付きます。

ポイント

「どの手法を使うか」より先に「何を知りたいか」を1文で書くほうが早く終わります。手法は問いが決まれば選べます。

次にどのページへ進んだかを見たいときは経路データ探索、申し込みの途中でどこで抜けたかを見たいときは目標到達プロセスです。この2つは標準レポートでは作れません。探索に下りる理由になるのは、たいていこの種類の問いです。

出した数字に、サンプリングがかかることがあります

ここが本題です。探索の数字は、全件を数えた結果とは限りません。

Googleのヘルプはこう説明しています。

データ探索のクエリに 1,000 万件を超えるイベントが使用される場合は、サンプリング データが用いられることもあります。

一部を抜き出して全体を推定した値になる、ということです。傾向を見るぶんには足りますが、「先月の申し込みは何件でした」と報告する数字には向きません。

気づき方も公式に書かれています。

データ探索にサンプリングまたはデータしきい値が適用される場合、右上のアイコンが緑色から黄色に変わり、データに関する情報がツールチップに表示されます。

アイコンの色だけ見ればよいということです。緑なら全件、黄色ならサンプリングかしきい値がかかっています。人に渡す前にここを1回見る習慣にしておくと、あとで数字が食い違いません。

期間を短く切る、条件を減らす、といった形でイベント数を減らすと、緑に戻ることがあります。

なお、内訳の行が (other) にまとまったり、そもそも表示されなかったりするのはこれとは別の仕組みです。そちらはGA4のユーザー数が合わないときに見る4つのことに整理しました。

4つの上限があります

作り込んでから引っかかると手戻りになるので、先に書いておきます。

上限数
1ユーザーがプロパティごとに作れるデータ探索200件
プロパティごとに共有できるデータ探索500件
1つのデータ探索に適用できるセグメント10個
1つのタブに適用できるフィルタ10個

日常の運用で最初に当たるのはフィルタの10個です。条件を足し続けて絞り込む作り方をしていると届きます。

セグメントとフィルタは、足すほど組み合わせが増えて内訳が省略されやすくもなります。上限の前に、まず条件を減らせないかを考えるほうが結果的に読みやすい表になります。

期間には別の制限があります

探索で過去にさかのぼれる範囲は、データ保持期間の設定で決まります。標準レポートは集計済みのデータを見ているため影響を受けませんが、探索は個々のデータを組み合わせるので、保持期間を過ぎると取り出せません。

初期設定のままだと短いので、気づいたときには過去が戻せないという形で問題になります。設定の位置と、延長しても過去が戻らない性質はGA4のデータ保持期間とは?初期設定のままだと何が起きるかにまとめました。

期間を比べる設定は探索でもできます。そろえ方はGA4で期間を比較する方法と、比べてはいけない期間に整理しています。

標準レポートとの使い分け

順番を決めておくと迷いません。

  1. まず標準レポートで見る。集計済みなので内訳が省略されにくく、保持期間の影響も受けません
  2. 標準レポートで答えが出ない問いだけを探索に持っていく(次にどこへ進んだか、どこで抜けたか)
  3. 探索で出したら、アイコンの色を見てから人に渡す

探索から入ると、作ること自体に時間がかかります。GA4全体をどこから見るかはGA4の使い方|見るべき数字と「次の一手」の考え方で扱っています。

よくある質問

GA4の探索レポートとは何ですか?

標準レポートに出てこないデータや分析手法を使って、自分で表やグラフを組み立てる場所です。Googleの説明では「レポートに掲載されないデータや分析手法を利用でき、データを詳細に探索できる」とされています。左側のメニューの「データ探索」から開きます。

探索レポートとデータ探索は違うものですか?

同じものです。Googleのヘルプでは「データ探索」「データ探索ツール」と呼ばれていて、「探索レポート」は広く使われている通称です。画面のメニューにも「データ探索」と出ます。

探索の手法はいくつありますか?

Googleのヘルプが挙げているのは7つです。自由形式のデータ探索、コホートデータ探索、目標到達プロセスデータ探索、セグメントの重複、ユーザーデータ探索、経路データ探索、ユーザーのライフタイムです。解説記事によって6つ・8つと数が違うのは、何を手法として数えるかが違うためです。

探索で出した数字はそのまま使えますか?

サンプリングがかかっていないかを先に確かめてください。Googleのヘルプは、クエリに1,000万件を超えるイベントが使用される場合はサンプリングデータが用いられることもあると説明しています。かかっている場合は画面右上のアイコンが緑色から黄色に変わります。

標準レポートと探索はどちらを使えばいいですか?

決まった数字を定期的に見るなら標準レポート、その場かぎりの問いに答えるなら探索です。標準レポートは集計済みのデータを使うため内訳が省略されにくく、データ保持期間の影響も受けません。まず標準レポートで見て、足りないときだけ探索に下りるのが手戻りの少ない順番です。

まとめ

探索は、標準レポートに出てこないデータと手法で、自分で表を組み立てる場所です。Googleの呼び名は「データ探索」で、「探索レポート」は通称です。

公式が挙げている手法は7つ。最初に開くなら自由形式で、標準レポートで作れないのは経路データ探索と目標到達プロセスです。

そして出した数字にはサンプリングがかかることがあります。1,000万件を超えるイベントが使われる場合が対象で、かかっていれば右上のアイコンが緑色から黄色に変わります。

上限は4つ(探索200件・共有500件・セグメント10個・フィルタ10個)。期間は保持期間の設定に縛られます。

まずは標準レポートで見て、答えが出ない問いだけを探索に持っていってください。作る前に「何を知りたいか」を1文で書いておくと、手法は自然に決まります。

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